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コミュニケーション診察室第15回

みんなで楽しいことをしよう

中部経済新聞
深い絆でつながっていると感じる友人との関係を振り返ると、一緒に部活をやっていたとか、大きなイベントを立ち上げたとか、仕事でライバルだったとか、夢中になって何かに取り組んだ経験を持つ人が多いものです。「ともに」困難を乗り超えて行くプロセスでチームの力は強くなり、充実感を共有することができます。

9月の土曜日、地域のお年寄りが集まる公民館では、老人会のおじいちゃん、おばあちゃんの笑い声が響いていました。岐阜県羽島市にあるグループホームわおんを経営する加藤隆康社長が座長を務める「わおん爆笑劇団」の劇団員は、全員介護スタッフで構成されており、認知症の問題と対策を分かりやすくユーモアたっぷりの寸劇でつたえています。

寸劇をやろうと思ったきっかけは、「楽しいことでスタッフの結束を固めたかったから」という加藤社長。レクリエーションや食事会など社員さんが楽しめるものはたくさんあるが、あえてみんなで取り組めることがしたかったそうです。

寸劇をするには、脚本作り、セリフ覚え、リハーサル。さらに小道具を作ったり大道具を用意したりと準備も練習も大変です。しかし、みんなでひとつのものを作り上げるプロセスや、終わった後みんなでメイクを落としながらお客さんの反応を話したり、称えあったりするとき、毎回「やって良かった!」と思えるそうです。

2年前にスタートした時、社員さんも突然のことにずいぶん困惑したそうです。しかし、取り組んでいく中で見てくださる方々から「ありがとう」「楽しかったよ」「また来てね」とたくさんのメッセージがもらえるようになりました。地域の方と交流したり感謝される体験は本当にうれしそうです。今や、座長以上の笑いをとるのは、お嫁さん役に扮した男性の若手リーダーです。

加藤社長は「やれ!」と押し付けるのではなく、自らが座長として皺だらけのおじいさんのメイクをして、率先して見本を見せています。そしてメンバーを信頼し、支援し続けます。情熱のあまり朝になって脚本が変わりセリフの修正をすることもあるとか・・・。とにかく最後まで「伝える」ではなく「伝わる」にこだわり続けています。

この取り組みにより、業界の課題に対する解決策をわかりやすく伝えることで、地域への貢献、仕事への理解、チーム力アップを実現されています。

「私たちの仕事は人が相手です。自分たちが常に楽しくわくわくし続けることが、仕事を楽しくする秘訣だと思っています。」加藤社長はいつもスタッフさん一人ひとりの、充実感を追求し続けています。
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