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コミュニケーション診察室第17回

コミュニケーションの準備運動①

中部経済新聞
目標達成をサポートするための目的を持った対話「コーチング」の流れは【1セットアップ→2ゴール設定→3現状の明確化→4ギャップ分析→5行動計画→6フォローと振り返り】です。
2~6は通常業務の中でも意識して話されていると思いますが、忘れがちなのが「セットアップ」です。スポーツも準備運動なしでいきなり体を動かしてしまうと、足がつってしまったり、ケガをしてしまうこともあります。社員さんの立場になると、上司との距離感や威圧感を感じているため、相談や話をしたくても、意外にもその一歩を踏み出せないでいます。

では「コミュニケーションの準備運動」とはどんなことをするのか具体的にご紹介します。
本題に入る前に「あたりまえ」を、言葉にするだけでいいです。
「いつもおつかれさま。この間の資料、グラフが見やすくて助かったよ。ありがとう」
このたった5秒くらいの会話の中には、日頃の「ねぎらい」と「承認」と「感謝」の要素が入っています。たった5秒で場を温めることができます。

他には、部下の好きなこと、得意なこと、自分との共通の話題について質問してみます。
「ずいぶん涼しくなってきたなぁ(共通の話題)、なにかスポーツはやるの?(得意なこと)」
「僕はご飯より麺類が好きでね(共通の話題)、君は麺類では何が好き?(好きなこと)」
人は黙ってじっとしているより、話した方がリラックスできます。
話しにくそうであれば、
「僕はこう見えても甲子園を目指していたんだ」
「昨日食べたうどんが美味しくってね・・・」
と、先に自己開示します。
相手にとって話しやすい問いを投げかけることで、話しはじめるきっかけを作ります。「得意なこと」「好きなこと」を話すことでウォーミングアップと場づくりはできていきます。

「仕事なんだから、部下に媚びへつらうのはご免だ」という方もいらっしゃいますが、
恋愛に置き換えると、大好きな相手だからこそ興味関心を持つ事ができます。話せば話すほど相手の長所も欠点も見えてきます。双方が努力するからこそ、欠点もチャームポイントに見えてきてサポートしたくなります。
コミュニケーションの準備運動は、部下を好きになれるか、部下に興味関心が持てるかどうかです。この思いがなければ、部下を仕事の道具としか思っておらず、それは当然相手にも伝わり、結果となっているだけです。

あなたの大切な部下には、どんな準備運動が一番効果的だと思いますか?

次回は、会議や勉強会での準備運動「アイスブレイク」などについてお話しします。
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