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コミュニケーション診察室第18回

コミュニケーションの準備運動②

中部経済新聞
「人前で話すのは緊張しませんか?」と聞かれますが、人前に立って思うのは「参加する方々も緊張している」ということです。私も講演会やセミナーに参加することがありますが、はじめは緊張します。どんなことに緊張するのか考えてみると、まずシーンと静まり返っている会場で緊張してしまいます。自分はその場にふさわしいのか、どんな人がいるのか、座席の後方には、どんな視線があるのかと思うと緊張します。
しかし、知っている人、笑っている人がいると少しリラックスします。会話や笑顔は人をリラックスさせるのです。柔らかいスポンジにはたくさん水を含むように、リラックスした状態でミーティングや勉強会などを開催すれば、意見も出やすく、学びも深くなります。

会議や勉強会の導入部分で場づくりをする「アイスブレイク」とは、名前の通り冷たい氷を砕くこと、つまり、会場のしーんとした硬い雰囲気と参加者の緊張をほぐしていくゲームやエクササイズのことをいいます。

例1「グッド&ニュー」:①全員で輪になって、ボールを持った人が24時間以内にあった良かったこと(グッド)、新しいこと(ニュー)を話します。②話し終えたら、全員で拍手③次の誰かにボールを投げます。・・・輪になり顔を見ながら、日常を肯定的に言葉にし、拍手で承認をし合うことで、気持ちが前向きになり、場の空気がぱっと明るくなります。
たとえ、その後の会議の議題に不安要素が含まれていたとしても、言い訳や叱責の時間で終始するのはもったいないことです。本人が出来事をきちんとプラス受信して改善提案まで伝えて行動できるような「ムード」が欲しいものです。

例2「共通点探し」:あまりよく知らないメンバーとやると効果的です。2人組になって、「星座は?パン派?ごはん派?長男?末っ子?」など、ひとつでも共通点を見つけたら、チェンジして別の人とまた共通点を探します。共感が生まれると「いいね!」「私も!」の言葉であふれます。はじめて会う人とでも出身校や年齢など共通点を見つけると急に距離が近く感じ心を開きやすくなります。


また平成の社長塾の中で、2年続けているのが「おにぎりタイム」です。講義が始まる30分前から、みんなでお茶を飲みながら、おにぎり片手に雑談タイムとなります。あちこちで笑いがこぼれるその時間、ほんの少し早く来て交流することで、講義が始まる前にウォーミングアップは終わっています。

参加者がリラックスしていれば、会議でも意見が出やすく、勉強会でも学びが深くなります。
人が集まる貴重な時間だからこそ、「滞りなく」から、「より効果的に」を大切にしたいものです。
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