中部経済新聞
私たちは仕事を通して、自分を活かし充実感を味わう事ができます。
人には、そもそも二つの欲求があります。楽に生きていきたい「安楽の欲求」と、自分を活かしたい「充実の欲求」です。安楽とは、仕事での責任を避け、チャレンジする意欲を持たず、責任を転嫁する生き方。能力は向上せず信用は落ちて、楽に生きようとすればするほど、楽に生きられなくなってしまいます。
一方、自分が責任を持って物事に取り組み、面倒なことや新しいことにもチャレンジする精神があれば、能力も向上し人としての信用も増していきます。結果、充実した生活を送ることができます。私たちは意識しないと「充実」できないのです。
昨年の秋から半年にわたって、社長と社員さんが一緒になって、理念を浸透させるために、社内の事例を持ち寄りムービーを創る、ビジョナリー経営創造研修を開催しました。仕事の時間を割いての研修参加は、宿題も多く、業務の時間を圧迫したと思います。社内へ課題を持ち帰り、事例を集めたり、学びのシェアをしたり、理念やビジョンについて考え抜き、課題はいい意味で困難を極めたことと思います。さらに仕事では、大きなプロジェクトを抱えているのはどこの会社も同じです。
そんな中、研修の終盤で、参加企業の社員さんに、社長へのメッセージを募ってみました。気持ち良く提出してくれたメッセージを読んでいて本当に胸が熱くなりました。一番多かったのが「社長、僕に活躍の場を与えてくれてありがとう」という言葉だったのです。
この社員さんから社長さんへのメッセージはサプライズムービーとして、懇親会で流しました。社長さんと社員さんの心がひとつになった瞬間でした。
人には、「ほめられたい」「認められたい」という欲求もありますが、何よりも強いのは「自分を活かしたい」という無意識の欲求なのです。
「でも」「どうせ」「だって・・・」と考えてしまいがちな社員さんに、「今までで、いちばん充実した体験は?」と、質問してみてください。多くの人は部活動、受験、仕事においても、困難の後に充実感を味わっています。自分にパワーをくれる本や映画も沢山ありますが、何かをやり遂げた、一生懸命に取り組んだという自分の体験は誰よりも自分の力になります。
機会を得ることで、人は充実し輝いていきます。わくわくした毎日を送ることができます。仕事とは、関わる多くの人たちに、充実できる場を提供しているのだと実感しています。