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心を届けるハグニケーション第12回

世界にひとつだけの「はぐよ」 日本中を旅 抱きしめてもらう

中部経済新聞
ちいさなぬいぐるみ「はぐよ」は、世界にたった一つのオリジナルぬいぐるみとし
て、3年前に誕生しました。
クマちゃんがモデルの「はぐよ」は、小さな両手を一生懸命広げて立っていて、まさ
に日本ハグ協会を象徴するキャラクターなのです。多くの人に抱きしめてもらうよう
にと、可愛らしくそして丈夫に作ってもらいました。

「はぐよ」は、人から人へと手渡され日本中を旅し続けています。
「はぐよ」の肩にかけられた赤いバックの中には「あなたの大切な人にハグしてね」
というメッセージが書いてあり、ぬいぐるみを受け取った人は、「はぐよ」と共に、
そのミッションも受け止めてくださり、大切な人とのエピソードを送ってくださいま
す。


一年目は関東で養護施設にも行きました。
ちょうど東日本大震災の時、数十人の子供たちを数人の職員さんでお世話しているそ
の施設で震災が起き、震えながらはぐよを抱きしめている幼いお子さんの姿を見て、
全員を同時に抱きしめられないやりきれなさを実感したと施設の方が話してください
ました。

また、抱きしめたくても抱きしめる子どもに恵まれない人がいるということ、親に抱
きしめられなかった子ども時代を過ごした人がいるということも知りました。

親に抱きしめてもらうという当たり前の子ども時代を過ごせず、施設で暮らした渡井さゆ
りさんは、いま結婚して愛くるしいわが子を抱きしめながら「私は愛されていなかっ
たわけじゃない、親はどう表現したらいいのかわからなかっただけだと「はぐよ」は教えてくれました」とメッセージをくださいました。
彼女は、いま大人になって施設を出た人たちが集まれる場所「日向ぼっこ」を運営していらっしゃいます。日向ぼっこにおじゃました時、彼女に「なにか私にできることはありますか」と質問したら「私たちのことに関心を持ってほしい」と話してくれました。どう接したらいいのかわからないではなく、関わることの大切さもそのとき実感しました。

ぬいぐるみを受け取った人が「何これ?」「おもしろい!」という顔をするのをイメージしてスタートした「はぐよ日本縦断の旅」でしたが、何も話さないぬいぐるみとそこに真剣に関わってくださった方々から、私は大切なことを沢山教えていただきました。
中部経済新聞社 本紙2013年01月30日005面01版
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