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コミュニケーション診察室第12回

会話が生まれる環境づくり

中部経済新聞
これまで、部下の話を聴く、認める、効果的な質問をすることが大切ですとお伝えしてきました。スキルや思いも大切ですが「タイミング」や「場所」もとても大切です。

コーチング仲間の社長さんで、毎朝、出かける前の営業マンと5分間コーチングをしたところ、半年で売上が6倍になったという方がいらっしゃいます。

朝、出かける前に一日をイメージしたり、気がかりなことを払拭するだけで、人は力を発揮できるんだと実感されたようで
「朝は時間がないけど、無理してでも時間をとった価値はあったよ」
と話していらっしゃいました。

私は、職場内で、前述のような目的を持った対話が飛び交い、相互メンターとなれる学びの機会と環境をつくることが理想だと思っています。

今年、日経ニューオフィス賞を受賞したホームページ制作会社、タービンインタラクティブさんに訪問させていただきました。
社内にはバーカウンターがあり、センスのいい家具に囲まれています。
カフェ好きの私にとっては、ずっといたくなるようなおしゃれな空間です。

会議室を覗こうとしたら、
「今日はマッサージの日なんですよ」と志水哲也社長。
ずっとパソコンに向かって仕事をしている社員さんのためにベッドを用意し、出張マッサージのサービスを導入しています。

プロジェクトが完成すると、担当したメンバーがステージの上で、プロジェクターを使って仲間に向かってプレゼンします。ピザやスナック、ドリンクを用意して、パーティーのように楽しく進めるのがコツだそうです。

お茶やコーヒーを冷蔵庫に取りに行くついでに、自然と会話は生まれ、別のプロジェクトの進捗を聞いたり情報交換も自然とでき、話が盛り上がればそのままカフェでお話ができます。

場を作ったことで、社員さん自ら「浴衣の日」をつくって浴衣で仕事をしたり、創立記念日には全員参加で経営陣へのサプライズを仕掛けたりと場を活用した楽しいコミュニケーションが次々と生まれています。

志水社長は、オフィスに訪れるお客様に「素敵ですね」と褒められるたび、
「そうでしょう?うちの正樹がデザインしたんですよ!彼は社内のアイデアを集めてますからね。みんなで考え、より良くしていくことが大切なんです。」と、嬉しそうに話してくれます。

白い無機質な会議室ではいいアイデアも本音も出ないからと、会議室のデスクにテーブルクロスをかけてお菓子やコーヒーを用意し、進行役をカフェオーナーと呼ぶ「ワールドカフェ」が流行ったりする時代。

仕事帰りに上司と飲みに行くという時代ではないからこそ、会話の生まれる環境づくりをすることは「毎日を楽しくすること」につながっていきます。
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