中部経済新聞
アイデアは、ふとした時に生まれますが、出てきたアイデアをどれくらいの社員さんが書きとめ、社内に提案しているでしょうか。
いまや、アイデア会議、ブレーンストーミングなど、たくさんの手法がありますが、大切なのは、場の雰囲気づくりです。
「お客さんが行列をつくってしまうネーミングとは」「思わず口コミしたくなるための今までにないサービスとは」などと、わくわくするタイトルをつけて、会議をスタートします。ここで、リーダーが「どうなんだ!」「なんかないのか!」と、怖い顔をしていては、絶対にアイデアは出てきません。あったとしても発言しないのです。人は誰もが、「だからお前はいつもダメなんだ」と、過去に失敗を許されなかった人格否定の経験を持っています。そのため「アイデアを否定」されると「自分が否定」されるような感覚になってしまい、発言を恐れてしまいます。
アイデアの創出には、質より量でひとまず出してみることが大切です。100個出せばその中で一つくらいはいいものが出てくるはず、1000個出てきたら、10個もあります。
社長塾の「価値の創出」の宿題に、2週間で「1000個出します」と宣言した方がいらっしゃいました。2週間で1000個のアイデアを出そうとすると、まずは1000個出すためのアイデアが生まれます。
なにより、ひとりで1000個はできないので、社員さん、お客様、取引先、家族にも意図を話し協力してもらったことで、「社長が何をしたいのか、会社をどうしたいのか」が、自然と伝わっていったようです。巻き込み力とは、自分が率先して「動く」その姿にあるんですね。
会議で、若手からアイデアを引き出したいときは、リーダーが率先して、「へんてこな」アイデアを言って、ハードルを下げてあげるのも大切なことです。
1000個のアイデアから、10個実践したとします。その中に自分のアイデアがあって、結果が出たとしたら、プロジェクトが続く限り「自分のアイデア」が社内で動き続けるのです。
モチベーションもアップするし、社内にどんどんスターが生まれていきます。
学生さんと話していると、びっくりするほどいろんなことを知っているし考えています。アイデアや発想が「ない」のではなく、受け入れる風土と、引き出してあげられる問いかけが必要なのです
ちなみに、一人で考えるときには「ウォーキング」がお勧めです。アイデアを出すというより「生まれてしまう」のです。平和公園や東山一万歩コースが私のお気に入りです。
頭を動かすには体を動かすこと。早朝ウォーキングも気持ちいいですよ。