中部経済新聞
寝る前の時間、どんなふうに過ごしてますか?
本を読む、アロマを焚く、ストレッチをする、照明を30分前から暗くしていくなど、人によっていろんな「寝る前の儀式」があるようです。
今日は「自分をハグ」の第二弾として、寝る前の時間の使い方についてお話します。
先日、お姑さんのお世話をしながら、幼い3人の子育てをしている子育てママが、勉強会に参加してくださいました。とにかく、イライラしてばかりいる自分が許せなくて毎日が辛いとおっしゃいます。
彼女は、「私、『きちんとしなくては』って思っちゃうんですよね、本当に許せないのは子どもじゃなく自分になんです」と話してくださいます。
まじめな人ほど、寝る前にまで自分を責めてしまいます。責められたまま寝るから眠りの質も悪くゆっくり休めない。結果、翌日疲れを残してしまい、軌道修正できず状況を好転できない。するとイライラして、また家族にあたってしまう。
そんな時こそ、まるで波の音を聞きながら海辺に寝そべっているような、そんなリラックスした気分で質の良い眠りにつけるといいですね。
時間もお金もないとおっしゃるので、とっても簡単で道具もいらない方法を次のようにご紹介しました。
ひとつは深呼吸すること、もう一つは今日の良かったことを思い出すことの二つです。
まずは、息をゆっくりと吐き切ります。肺が空っぽになると自然と新鮮な空気がたくさん入ってきます。呼吸をしっかりするというのは吸うことよりも吐くことが先なのです。
体の隅々まできれいな空気が届く感じがします。
次に一日を振り返りながら自分を褒めてあげましょう。いつもは
「また、長男を叱ってしまった」
「やることだらけで、部屋も片付かずイライラしている」
と、出来なかったことばかりを思いだしては、自分を責めてしまうそうです。
せめて寝る前くらいは、
「今日も無事に家族が元気に過ごせてよかったね」
「朝昼夕の3食、美味しく食事が作れてよかったね」
「天気が良くて、洗濯物がよく乾いてよかったね」
と自分をハグしてあげてくださいね。
一日を振り返ってみると、悪いことばかりでもないはずです。まじめすぎる人ほど、出来ていないことばかりに視点を向けて、自分を責めて自分をダメだとレッテルを貼ってしまいます。
人を幸せにしようとするとき、まず自分が幸せを感じられていることはとても重要です。
「人の呼吸数の平均は一分間に18回、同じように波が打ち寄せる数も一分間に18回」
海の波の音を聞くと心が落ち着くのは、私たちの呼吸と海の呼吸が同じリズムを奏でているからなんですね。
人間は、人生の四分の一くらいは寝ています。ゆったりとした海辺で過ごすように、一日の疲れを癒す睡眠時間を持つことは、とても大切なことです。
本来の自分を取り戻すための自分とのコミュニケーションタイムを持つことも「自分をハグ」することなのです。